前回に引き続き、今回は財務諸表の一つでもある損益計算書について解説いたします。
損益計算書は、貸借対照表と類似する計算書類ですが、この2つは全く異なる性質を有しています。そのため、会社のどのような数値を知りたいかによって、どちらを見るべきかが異なります。
ちなみに、財務諸表とは、通常、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の3つの総称として使われています。
それでは、読者のみなさん、特に会社経営をされている方は損益計算書を説明できますでしょうか?
これを機に、損益計算書に関する興味を持っていただければ幸いです。
損益計算書とは?
【ポイント1 】
ある一定期間における会社の活動を数字で集計した結果であり、売上高などの収益から費用を差し引いて、会社がある一定期間にどれだけの儲け、つまり、利益を生み出すことができたのかを表しています。
損益計算書は、一定期間の会社の活動をすべて集計したフローの概念と言え、英語では、プロフィット・アンド・ロス・ステートメント(P /L)と呼ばれています。
これが、損益計算書に関する一般的な説明です。ポイントは、貸借対照表と異なり、一定期間(通常は決算期(1年間)であることが多い)の会社の活動の通知簿になります。
【ポイント2 】
上から順に、売上総利益、営業利益、経常利益、税金等調整前当期純利益という4段階の利益として算出し、最終的には当期純利益が示されます。
企業の利益を生み出す力を見る際には、通常、営業利益や経常利益に着目することが多いです。
大まかには、以下のとおりです。
売上高
△売上原価
売上総利益
△販売費及び一般管理費
営業利益
+営業外利益(利息、受取配当金など)
△営業外費用
経常利益
+特別利益(不動産売却による収益など)
△特別損失
税金等調整前当期純利益
△法人税など
当期純利益
【ポイント3】
どの項目に計上されるかについては、ある程度ルールが決められています。かかるルールの詳細については、後日いたしますが、今回は、「人件費」を例に見てみます。
Q人件費はどれにあたりますか?
A:売上原価
B:販売費
C:一般管理費
正解は、A、B、Cいずれの可能性もあります。
例えば、製造業の場合、製造現場で働く従業員の人件費は売上原価にあたります。他方、営業活動を行う営業マンの人件費は販売費です。
また、本社で働く一般職の従業員の人件費は一般管理費とされています。
このように、それぞれの費用の性質に応じて、どのような項目に計上されるかをきちんと把握することがP /Lを正確に読み解く上では必要となります。
今後のブログでは、このような細かい知識に関する投稿もしていきます!